『限界を受け入れよ』
一言で言って力作です。受け入れるということが真実の愛であると説きます。では、何を受け入れるのかという問題ですが、まずは、自分自身を受け入れよというのです。こういう話はこの本だけではないのですが、ここからがこの本の力作たるゆえんです。この本では、人を、そして万象を善悪で分けません。物事に善悪はなく、あると思われている部分は、不足の部分、もっといえば、「限界」だというのです。自分が人を愛せない、許せないとするなら、それは、自分に悪があるから、罪があるからではなく、相手を受け入れるだけの器が整えられていないという限界性のためだというのです。そして、自分を受け入れるとは、「限界」を持った自分を受け入れよというのです。いわば、カルマという言葉があったら、ここでは、存在は、限界を有したものであるというのが、カルマということでしょう。自分は、そして相手は、それぞれ限界を持った存在であるという事実をありのままに受け入れることが魂の解放になるということでしょう。